アリス・イン・ワンダーランドのインスピレーションはそこから?

目安時間:約 5分

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私は比較的読書が好きな方ではあったが、
つい最近までそのストーリーが何が言いたいのかわからず、
苦手な作品があった。

 

あの有名なキャロル『不思議の国のアリス』だ。

 

少年少女文学の世界では必ず見かける
よく知られた物語である。

 

にもかかわらず、

主人公の少女アリスがボトルのラベルに
「DRINK ME(わたしを飲んで)」と貼ってあるのを読んで
それを飲むと小人になってしまう。なぜ?
始めの頃から、すでに妙な違和感がある。

 

同じ小人になる『ガリバー旅行記』では、
そのまま小人になって、普通に物語が展開するのだが
こちらは特に問題なく読める。

(小さくなったり大きくなったり、めんどくさくない…)

 

アリスの物語では、出てくるキャラの担う役目もわからず、

お茶会がなんなのか?

 

なぜ、ウサギはいつも急いで
通り過ぎるのかなど、本当に意味不明なのである。

 

そして、ほんとについ最近のことであるが、
「アリス イン ワンダーランド」という映画を観て
やっと○十年来の疑問がスゥーッと溶けていった。

 

これは、SFファンタジックの分野なんだと。

 

alice-in-wonderland-cat

 

他の子供向けの文学が、
「赤毛のアン」「小公子」「小公女」といった
ありえそうな人間のドラマなのに対し、

このアリスは、同じ線上に並べられない、
夢の中の出来事のような創作作品だった。

 

今でこそ、SF系や、「ネバーエンディングストーリー」の
ようなファンタジックな世界は、なじみがあるが、

私の小学時代、ましてやアリスが書かれた1800年台には
あまりにも時代を先に行っていた、異才な物語である。

 

本日の主役は、この著者を取り上げよう。

 

 

★ルイス・キャロル

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イギリスの数学者・童話作家(1832-1898)

まず、この方、童話作家を書かれるというのに
本職は、オックスフォード大学で数学の講師を
していたという。

 

当時の女王ヴィクトリアが、「不思議の国のアリス」を
読んでいたく感動し、他の作品も読みたいと望んだところ、
小難しい数学論文が届いた、という話もある。

 

さて、ルイス・キャロルは偏頭痛が持病で、
よく幻覚にうなされたそうだ。

 

偏頭痛の初期症状に「幻覚」は起こり、
悪夢なら目覚めれば終わるところを、
幻覚は、いつ終わるとも先が読めない恐ろしい世界だ。

 

前回の、パスカルの歯痛のように、
ルイス・キャロルは、この悪条件を最高に利用した。

つまり、幻覚で得たエピソードをインスピレーションとして
いくつもの作品のヒントに変えていったのである。

 

そういえば、アリスも散歩中、
ちょっと一息した木陰でうたたねをすることから始まる。

 

それが、夢でなく、幻覚を利用したものだったとしたら
あの奇想天外な発想が、でてこぬとも限らないのではないだろうか。

 

animal飲み物を飲んで体が小さくなったり、
ケーキを食べて体が大きくなったり、
あたりは、興味深かった。

 

伸びたり縮んだりするというのは、偏頭痛の前兆で起こる
視覚的なひずみの一種であったり、アリスが、ほしいものがあるのに
なぜか自分がのぞき込むとカラになってしまうというのも、
人によっては幻覚の中でおきる異常な感覚を利用したもののようだ。

 

前回のパスカルの歯痛中のインスピレーションもすごかったけど、
このルイス・キャロルも幻覚を逆手に取るとは。

 

天才のインスピレーション、いかなる刺激をも
そのタイミングにしてしまう、恐るべし。

 

 

最後にお時間があれば、

映画「アリス・イン・ワンダーランド」の第2弾「時間の旅」の予告をどうぞ。(約2分)

 

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