私たちが日々お世話にならないと生活にならないものは
数多くありますが、今日の素材もまた
これがなくてはどうなっていたことでしょう。
彼の名を聞けばその素材が何であるか、
すぐ想像できると思います。
グッドイヤー、そうです。
車のタイヤでよく聞く名前です。
ただ、今のグッドイヤー社は、彼の名にあやかっただけで一切の関係はない。
そう、ゴムといえばチャールズ・グッドイヤー抜きには語れないほど。
当時のゴム製品は温度に影響されやすく、季節ごとに悩みを抱える。
冬は低温でカチカチに固まる。夏は熱でベトベトに溶けてしまう。
暑くても寒くても使える代物ではなかった。
さらに当時の製造技術では、
実用に使える安定性と耐久性を兼ねたゴム製品をつくることは不可能であった。
もともとチャールズは、発明家で特許も2.3持っており、スチール・フォークやレバー水栓、
スプーンの製造法などを発明していた。
ある日、救命具を改良したことからゴムを改良するよう提案され、
それから、彼とゴムの付き合いは、一生ものとなる。
一時は、父親と経営していた金物屋が破産し、借金のかどで逮捕された。
その監獄所の隅で許可をもらって、研究を重ねた。
というと化学者のようであるが、彼には一切の化学的基礎知識はなく、
手当たり次第に混同してみたのだった。クリームチーズ、石灰石、ブロンズの粉など。
はい、それはもう原始的な数打てば当たる方式に近かったかもしれない…。
ゴムの大進化は、偶然ゴムに硫黄を混ぜたものがストーブに触れたことにより
熱くても溶けないゴムを発見したことでした。
ある時のインタビューで、
「どなたがグッドイヤー本人だとわかりますか?」と尋ねたところ、
ある人に「帽子、スカーフ、コート、上着、靴がインド・ゴム製で、
同じゴム製の空っぽの財布を持っていたら本人です。」と言われたという。
それだけ、ゴム製品にこだわり、そして最後まで貧困にあえぎもしました。
彼のDNAを受け継いだ息子は、靴の製造機械の発明などでしっかり引き継がれました。
グッドイヤーの「偶然がもたらす発見」について述べたことに共鳴したので引用します。
発明家というものは、その発見が『科学的な』化学研究の成果ではないということは認めても、
これが単なる偶然の産物だとは認めたがらないものです。
つまり偶然ではなく、緻密な研究と観察のたまものであると主張するのです。
……発見とは、神が偶然という形をとってお導きくださり、お助け下さることによって、
われわれの理論的思考力ではみつけられないようなものを見つけられる現象だ、
と考えることができるでしょう。
真摯に取り組む姿勢には、インスピレーションとなる気づき・アイデアが
偶然を装ってプレゼントされるのではないだろうか、
と私も思う。
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